オレ様専務を24時間 護衛する
京夜side
あの空港事件から2週間が経過。
危うく、結婚詐欺に遭う所だった俺。
あれ以来『女』に対する態度を徹底するようになった。
―――――俺の人生に『女』は要らない
仕事以外では視線を合わせる事すらせず、
俺は自分の人生から『女』を排除した。
………コイツを除いては。
「おい、松波」
「はい」
「今日の打ち合わせは何処になったんだ?」
「割烹 五十鈴川に予約しました」
「……そうか」
午後一番で変更依頼の連絡が入り、
急遽、会食先を変更させた。
いつもながらに手際よく仕事をこなしているが、
そもそもコイツは秘書じゃない。
警備会社では何をしてたんだ?
そんな事すら知らない……俺。
気にもしなかったし、コイツが話す事もなかった。
よくよく考えれば変な話だ。
コイツは俺の情報を事細かく知っているのに、
俺はコイツの素性を何一つ知らない。
………親同士が知り合いって以外は。
見れば見る程、考えれば考える程、おかしな状況だ。