オレ様専務を24時間 護衛する
打ち合わせ場所へと向かう車内で。
「松波」
「はい」
「警備会社では何をしてたんだ?」
「えっ?……警備会社ですか?」
「あぁ。お前はうちに来る前に警備会社に勤めてたんだろ?」
「あっ、はい。……というよりも、今も所属は警備会社の席になってますが」
「は?」
「京夜様のお世話は、特殊任務という事になっており、お給料は警備会社より口座に振り込まれています」
「じゃあ、うち(御影)からは1銭も貰ってないのか?」
「う~ん、詳しい事はわかりませんが、警備会社の方へお支払い頂いているものと思っているのですが、違うのでしょうか?」
金銭的な事は初耳だ。
恐らく、父親が何らかの方法で支払っているとは思うが。
「警備会社では警備管理部と言って、セキュリティーアラームが発動した場合の緊急対応やクレーム処理を基本に、顧客のデータ管理を行っておりました」
「へぇ~。だから、秘書業務もこなせる訳か」
「お世辞でも………そう言って頂けると、嬉しいものですね」
松波はハニカミながら肩を竦めた。