オレ様専務を24時間 護衛する
夕食を兼ねての打ち合わせを終え、帰宅した俺ら。
「松波、風呂の準備を頼む」
「はい。直ぐに湯張り致しますね」
御影百貨店の新年イベントとして、
ミニファッションショーを企画した。
百貨店内のショップが各々に目玉商品を提供するショー。
今日の打ち合わせは、
そのショーに出演する海外のモデルとの初顔合わせだった。
イベント会社とモデル事務所、
そして、メインとなるショップの担当者を同席させての会食。
思っていた以上に話が盛り上がり、
帰宅したのは22時を回っていた。
さすがに疲れた俺は珍しくベッドへ横になると、
「京夜様」
「……ん?」
「お湯が張り終るまで、マッサージでも致しましょうか?」
「は?」
「稽古の一環として習っていたのですが、意外と面白くて、スポーツトレーナーの修士免許を持ってます」
「はぁ?」
得意気な顔で小さくガッツポーズを決める松波。
肉体的に疲れた訳ではないが、
そこまで言うなら試してみるか……。
俺はジャケットを脱ぎ捨て、ベッドにうつ伏せになった。
「ん」
「では、失礼致します」