オレ様専務を24時間 護衛する
「………んっ」
夢から覚めるように瞼を開けた。
俺はいつの間にか寝入ってしまったらしい。
ベッドに横たわる俺に掛布団まで掛けてある。
しかも、ネクタイを外し、
Yシャツの第1ボタンまで外しておいてくれたようだ。
……どうりで寝苦しく無い訳だ。
俺はベッドから出て、浴室へと向かった。
浴槽には湯が張られてあり、保温設定になっている。
モニターの時刻を確認すると、既に24時を回ろうとしていた。
2時間近くも寝てたんだな。
松波のマッサージのお陰で身体は明らかに軽くなっていた。
風呂から出た俺は、
乾いた喉を潤す為、キッチンへと向かった。
ミネラルウォーターを取り出そうと冷蔵庫を開けると、
既に朝食用に下準備してある料理が並べられていた。
俺はアイツの生真面目さに苦笑した。
たまには愚痴だって零したっていいのに
逆らう事も無視する事もせず、
命令には従順に従うし、指示する前に行動しやがる。
文句のつけようが無い。
俺はアイツが『女』だって事をつい忘れそうになる。