オレ様専務を24時間 護衛する


「好きな時間に出て行って、好きな時間に帰って来い」

「へ?」

「時間の拘束があったら、心から満喫出来ないだろ」

「ッ!!………ありがとうございます!!あっ、でも、急にどうされたのですか?」

「はっ?……お前、俺の好意を無にする気か?」

「あっ、いや、そういう訳では……」

「フッ、冗談だ。今日はもういいから早く休め」

「……はい。本当にありがとうございます」



松波はキッチンを手早く片付け、自室へと戻って行った。



松波にマッサージを施して貰って以来、

何だか奴に借りがあるような気がしてならなかった。


アイツはいつも、俺が俺らしくいられるようにしてくれる。


雇っているのだから当たり前かもしれないが、

それにしても、あまりに従順すぎて気が引ける。


あの詐欺女と比べるとやはり雲泥の差がある。


だからなのか、松波の事を『女』だとは思えない。

何て言うか、………子分みたいな感じ?


いつも連れ歩き、お互いにアイコンタクトを取る。

最近は気配で分かるようになって来た。


………これって、何かの病気みたいじゃないか?



< 495 / 673 >

この作品をシェア

pagetop