オレ様専務を24時間 護衛する
「好きな時間に出て行って、好きな時間に帰って来い」
「へ?」
「時間の拘束があったら、心から満喫出来ないだろ」
「ッ!!………ありがとうございます!!あっ、でも、急にどうされたのですか?」
「はっ?……お前、俺の好意を無にする気か?」
「あっ、いや、そういう訳では……」
「フッ、冗談だ。今日はもういいから早く休め」
「……はい。本当にありがとうございます」
松波はキッチンを手早く片付け、自室へと戻って行った。
松波にマッサージを施して貰って以来、
何だか奴に借りがあるような気がしてならなかった。
アイツはいつも、俺が俺らしくいられるようにしてくれる。
雇っているのだから当たり前かもしれないが、
それにしても、あまりに従順すぎて気が引ける。
あの詐欺女と比べるとやはり雲泥の差がある。
だからなのか、松波の事を『女』だとは思えない。
何て言うか、………子分みたいな感じ?
いつも連れ歩き、お互いにアイコンタクトを取る。
最近は気配で分かるようになって来た。
………これって、何かの病気みたいじゃないか?