オレ様専務を24時間 護衛する
咄嗟にそれを握りしめ、
事もあろうか、俺から隠そうとした松波。
俺はそんな奴の行動を予測して……。
「ッ?!!」
引っ込めようとした奴の手を握りしめた。
しかも、久しぶりに発動する冷視線で。
「何故、隠そうとするんだ?」
「え?……あ、べ、別に……隠そうとし「してるだろ!」
「………」
俺は瞬きもせず見下ろすと、
「全部話しますので、離して下さい」
「………」
松波は観念した様子で俺を見上げた。
俺はそんな松波から手を離し、
松波は起き上がって、ベッドサイドに腰を下ろした。
手のひらに収まるものに一度視線を落とし、
そして、小さく息を吐いた松波はゆっくりと口を開いた。
「これは、空港から戻る際に拾いました」
「何の為に?」
「大倉様が要らないとおっしゃっていましたが、京夜様にとっては大切な物かもしれないと思ったからです」
「じゃあ、何故、すぐ俺に渡さなかった」
「そ、それは……」
「……ん?」