オレ様専務を24時間 護衛する
「へぇ~そうやって作るんですね」
スッと伸びた指先に釘づけになる。
凄く綺麗な指。
男の人なのに凄く綺麗。
私の手なんてゴツゴツで…。
そりゃあ、
男の人の手にしたら華奢かもしれないけど
女の人の手に比べたら…。
うぅっ…大変、涙が出そう。
「ほら、出来たぞ」
「わっ、ありがとうございます。ササッとお作りになるなんて、カッコいいですね」
私は作り笑いで誤魔化した。
ダメダメ、今は仕事に集中しないと。
差し出されたグラスを手にして、リビングへ。
しっかりして……彼は護衛対象者。
それ以上でもそれ以下でもない。
変な所を見せるワケにはいかないんだから。
自分の動揺を隠すようにカクテルを口に。
……んッ!!やっぱり美味しい。
どこで教わったのかしら?
キッチンに目を向けると、
カウンター越しに彼が見える。