オレ様専務を24時間 護衛する
再びクローゼットの中から何かを取り出した。
そして、凄く恥ずかしそうにそれを俺の目の前へ。
「ご納得頂けるかは定かではありませんが、私の子供の頃の写真です」
「へ?」
「隣りにいるのが、このヘアピンを作ってくれた祖母です」
「………」
俺は恐る恐るそれに視線を落とした。
これ以上無いほどに動揺しながら。
そこに写っていたのは、紛れもなく『あの子』だった。
長い髪に祖母のお手製のヘアピンをして、
一面のコスモス畑で2人……満面の笑顔で。
写真の中のあの子は、
俺が1度も見た事の無い幸せそうな顔をしていた。
俺が笑顔にしてやりたいと思っていたのに
こんなにも自然に笑顔が溢れていたんだな。
俺が1人で妄想してただなんてコイツが知ったら
マジで俺、今すぐ死ねるかも。
フッ。
思わず、苦笑した。
すると、
「ご期待に添えれなくて……すみません」
「ん?………何の事だ?」
「あっ、いえ……その………。綺麗に成長してなくて、ガッカリしましたよね?」
「えっ?」
松波は申し訳なさそうに俯いた。