オレ様専務を24時間 護衛する
「お前の方こそ、どうなんだ?」
「へ?」
「……こんな風に歪んだ性格に成長した俺を……」
俺は松波からの返答が気になって仕方ない。
肯定されても凹むし、
世辞を言われたら、きっと尚……凹んでしまう。
俺の事を……雇い主としてしか見てないという証だから。
俺は堪らず視線を逸らすと、
「正直な所、あまり変わられていない様に思います」
「え?」
「昔も今も、近寄りがたいオーラを放っていますし……」
「………」
「それに、その眼力……ハンパないです」
松波は苦笑した。
確かに俺の眼力は鋭い方だと思うが、
当時のあの子がそんな事を思っていたとはな。
そして、俺は……。
あの日、あの子が俺に言った言葉と
あのキスの訳が知りたくて……――……。
「なぁ、松波」
「はい?」
「俺らが最後に会った日の事だが………」
「それって………私が………キス、した日?」
「……あぁ」
「あの日、何であんな事を言ったんだ?………覚えているか?」