オレ様専務を24時間 護衛する
17 傷痕
京夜side
あくる日。
朝食後に松波は実家へと出掛けた。
前回の帰省の際は、母親とあまり話せなかったらしい。
だから、今回は気が済むまで話して来いと話した。
行き帰りの足にと、仕事用のセダン車を松波に貸した。
本当は俺が送り迎えをしてやろうとしたが、
頑固として断られてしまった。
………あの子にとって、俺は雇い主でしか無いようだ。
俺もまた自宅を後にし、実家へと向かった。
「あら、京夜。今日はどうしたの?」
テラスでお茶を飲みながら寛ぐ母親。
そんな母親の隣りに座り、
「たまにはいいだろ」
「え?………何かあったの?」
相変わらず、……鋭いな。
「俺にも……」
「はい、畏まりました」
使用人に飲み物を準備させ、
俺は何から話そうか思考を巡らせ始めた。
運ばれて来たティーカップに口を付け、
今にも溢れ出しそうな感情を整理する。
母親は、そんな俺を優しく見つめ、
俺が口を開くのをじっと待っているようだ。
そして、