オレ様専務を24時間 護衛する
「お袋は最初から、俺が松波をクビにしない事を見抜いてたって訳か」
「……………その口調だと、バレてしまったようね」
「やっぱり……」
母親は頬を緩ませながらお茶を口にする。
「松波の話を聞いて、合点のいかない所が幾つかあるんだが……」
「……ん?」
カップをテーブルの上に置き、ハンカチで口元を軽く拭くと
「フフッ、何かしら?」
凄く楽しそうに笑みを浮かべた。
両親の計らいであの子に再び逢えた事は凄く嬉しいが、
結局、親の手のひらで踊らされている事が腹立たしくてならない。
けれど、今は胸に痞えた事を聞き出したくて
………必死に感情を押し殺した。
「いつから、松波を俺の所に送り込む気だったんだ?」
「えっ、そこから?」
「は?」
俺の質問が期待していたモノと違うようで
大袈裟に気落ちしている様子を見せる母親。
本当の所、聞きたい事があり過ぎて、
どこから聞いていいのかさえ解らない。
「あのさ、順番とかいいから教えろよ」