オレ様専務を24時間 護衛する
「……夜様、…………京夜様!」
「………んっ」
何の気なしに名前を呼べたらどんなにいいか。
不本意ながらも現実を受け止めねばならくて……。
これから、どうやって接すればいいのか。
俺が出来る事は何なのか。
混乱する頭と心を必死に落ち着かせようとしていた。
けれど、人間……そう簡単には変われない。
俺は心の弱さを酒の力を借りて紛らわそうとしていた。
「もうッ!!……飲み過ぎですよ?」
「………悪い」
「1人で………歩けますか?」
「………ん~」
彼女に抱えられ腰を上げたが、足元がおぼつかない。
「もう、全然無理じゃないですか……」
「………ごめん」
ふらつく俺を支え、彼女は俺の部屋へと歩き出した。
よろめく体勢を立て直そうと彼女の肩をグッと掴んでしまった。
「……痛むか?」
「へ?」
「肩………痛くないか?」
「え?………はい、何とも無いですけど……」
「………そうか」
負傷した肩が右か左かさえ知らない俺。
けれど、こうして支えて貰う事さえ、きっと間違っている。
「えっ、ちょっ?!」