オレ様専務を24時間 護衛する
俺は酒の力を借りて、彼女を抱き締めた。
酔ってるとは言え、意識はしっかりとある。
けれど、俺のそんな状態を全く知らない彼女は
「ちょっと、京夜様、大丈夫ですか?」
「………ん」
ふらついている俺の身体を心配して、
両腕でしっかりと抱きしめ返してくれている。
10センチ以上も俺より低い彼女。
武術を20年以上も毎日こなしていたという身体。
当然ガッチリしているものかと思っていたが、
思ってた以上に小さく、そして、柔らかかった。
………彼女は正真正銘『女性』だ。
俺は彼女の耳元にそっと囁く。
「今まで………本当に悪かったな」
「ふぇっ……?」
「詫びにと言ったら虫が良すぎるかもしれないが……」
「………」
「明日、………1日だけ…………俺に付き合ってくれないか?」
「へっ?」
突然の俺の言葉に驚く彼女。
俺はゆっくりと腕を解いて、彼女の瞳をじっと見つめた。
そして………。
「…………楽しみにしてる」
それだけ告げると、自室へとふらつく足で歩き出した。
俺を支えようとする彼女に片手を上げ、軽く頷きながら―――――。