オレ様専務を24時間 護衛する
希和side
2週間ぶりの帰省。
私は軽い足取りで実家へと向かった。
門塀をくぐり、アプローチを歩み進めていると
2階のベランダで洗濯物を干している母親の姿を見つけた。
幸いにも洗濯物に視線を向けている為、
私には気付いてる様子は無い。
ヨーシ!………驚かせちゃおう!!
私は静かに玄関戸を開け、忍び足で2階へと向かった。
両親の寝室の掃出し窓に掛かるカーテン。
窓が開いているせいもあり、ゆらゆらと揺れている。
私はそーっとそれに近づき、ゆっくりと開けた。
「お母さん、ただいまぁ~~!!」
「ッ?!!」
私の声に驚いた母親は、
まさしく『鳩が豆鉄砲を食らった』ような顔をした。
「どどど、どうしたの?!」
「えへへへっ、驚いた~?」
「そりゃ、驚くわよ!」
「あはっ、大成功☆」
「もう!帰るなら帰るで、連絡くらい寄こしなさいよ」
「えぇ~?!それじゃあ、驚かせられないじゃん」
「もう、ホントにこの子ったら……」
口調はちょっと呆れた感じだけど、
表情は凄く嬉しそうにして、
歩み寄った私をギュッと抱きしめてくれた。
「ただいま…………お母さん」