オレ様専務を24時間 護衛する
………何なに? それってつまり、
彼女が私に嫉妬したって事?
えぇ~っ、そうなのッ?!
唖然とする私に母親はこう続けた。
「きっと、希和と京夜さんの仲に嫉妬して、希和を苛めたかったんじゃないかしら?」
やっぱり!!
じゃあ、何??
彼女が私になりすましたって、どういう事?
今さら私になりすました所で、何の得があるのかしら?
混乱する頭を整理しようと試みるが、
到底結論が出るとは思えなかった。
けれど、何となく……分かった気がする。
京夜様は、このヘアピンが幼い頃の私の物だと気付いて
きっと、懐かしさで私になりすました彼女と話したくなった。
女嫌いの彼であっても、幼い頃の知り合いなら、
『女性』でなく『女の子』に見えていたに違いない。
だから、あんな風に我慢してまで彼女に合わせてたのかも。
そう思うと、本当に優しい人なのかもね。
えっ、でも、ちょっと待って?
それなら、彼女だってあの場にいたじゃない!
彼女の事は覚えて無かったのかしら?