オレ様専務を24時間 護衛する
より一層深く考え込む私の顔を覗き込むようにして、
「ほらほら、もっとよ~く考えて見なさい♪」
満面の笑顔で意味深発言をする母親。
知ってる事があるなら、さっさと話せばいいものを!
「ねぇ」
「ん?」
「まだ私に話して無い事あるでしょ」
「…………どうしてそう思うの?」
「どうしてって、そりゃあ、謎だらけで頭が混乱するくらい、状況が状況だもの」
「……そうね」
相変わらず楽しそうに頬を綻ばせながら、
テーブルの上に置かれたクッキーに手を伸ばす。
私はそんな母親をじーっと見つめていた。
すると、
「希和は、何故、自分が京夜さんの護衛や身の回りの世話をさせられてると思う?」
「え?………それって、彼が女嫌いで使用人嫌いだからじゃなくて?」
「ん~それもあるかもしれないけど、根本的な所はちょっと違うかな?」
「違うって、…………何が?」
全く意味が解らない。
彼の世話が出来るような人材が私以外見当たらなかったって
確か、本部長はそう言っていたよね?
親同士が知り合いで秘密を漏洩させない為にも、
白羽の矢が私に立ったって聞いたけど、違うの?
「じゃあ、質問を変えるわね?……いつから、希和に京夜さんのお世話をさせようと考えたとを思う?」
「へ?」