オレ様専務を24時間 護衛する


いつからって、私に任務が下る少し前……じゃないの?

それとも、雇用しても長続きしないと言ってたから

………もしかして、今年の春くらいかしら?


でも、何故、そんな事を聞くんだろう?



「それって、どういう意味?」


ただ単に時期を尋ねてるのではないと察してしまった。

母親の言葉には何か秘密が隠されている……そんな気がした。


言葉の真意を探ろうと見つめてはみるものの、

答えなんて解る筈もなく……。


「もう、降参!」


私は両手を上げて、溜息を零した。

すると、


「今からお母さんが言う事は全て事実だからね」

「……へ?」

「何を聞いても取り乱したりせず、真摯に受け止めて……」

「…………う、うん」


母親は小さく息を吐くと、一瞬で表情を変えた。

それは、今から話す事がとても大事な事だと……感じるほどに。


その表情に私まで緊張して来て、

思わず、ゴクリと生唾を飲み込んだ。



そして、母親は私の瞳をじっと捕らえて

ゆっくりと言葉を紡ぎ始めた―――――――。


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