オレ様専務を24時間 護衛する
「あの当時、御影さんのお屋敷には沢山の女の子が招待され、京夜さんの将来のお嫁さん探しをしているって言われてたわね?」
「……うん。私は王子様のお相手だから『お姫様』探しだと思ってた。シンデレラみたいに……」
「でもね、本当は………それは表向きで、お嫁さん探しはカモフラージュに過ぎなかったの」
「へ?………それって、どういう事?」
カモフラージュって、見せかけって事よね?
えっ、じゃあ、何?
あの時には既に、お相手が決まってたって事?!
限りなくゼロに等しくても、
私はお姫様になれるかもって思ってたのに……。
あぁ、だから、『お姫様になりたい?』って何度も聞いてたんだ。
………私の事を不憫に思って。
思わず、苦笑すると
「『御影』と言えば、世界的に有名な財閥でしょ?」
「うん」
「その妻になるべき人が、年端もいかないうちから世間の目に晒されてたら、財産目当てで事件に巻き込まれる可能性が高いでしょ?」
「……そうだね」
「普通の家庭の子供ならそんな心配は要らないけど、あれほどの財力があると、幼いうちから後継者問題や姻戚関係の話題がマスコミで騒がれてしまうらしくて……。それで仕方なく」
なるほどね。
だから、彼は誰とも会話するつもりは無かったのか。