オレ様専務を24時間 護衛する


リビングのソファに腰を下ろすと、

珈琲を手にした彼女が姿を現した。


「ちょっと、いいか?」

「……あっ、はい」


俺の右斜め横のソファに腰を下ろす彼女。

そんな彼女に大きな包みを差し出した。


「これは、俺の母親からの気持ちだから……受取ってくれ」

「えっ?」


あまりに大きな包みに唖然とする彼女。

無理はない。

男の俺が手にしたって大きいと感じるほどのサイズなんだから。


俺はそれを彼女の膝の上に無理やり乗せ、


「出掛ける時に使うといい」

「へ?」


大きな瞳をより一層大きく見開く彼女。

そんな彼女に………。


「10時頃に出掛けるから、それまでに用意しておいてくれ」

「え?…………あ、はい」


母親からの贈り物を大事そうに抱える彼女。

複雑な表情の中にほんの少し嬉しそうな色が窺えた。


そんな彼女を横目に、

俺は彼女が淹れてくれた珈琲を手にして自室へと向かった。



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