オレ様専務を24時間 護衛する


別に世辞を言った訳じゃない。

本当の事を言ったまで……。



長身の彼女は日本人特有の体型ではなく、

どちらかと言えば、欧米型のスタイルをしている。


スラリとしているからこそ、

長い丈のスカートも優雅に見える。


母親の用意した贈り物は

恐らく、彼女の母親と相談して決めたものだろう。

サイズ的にもぴったり合っている。



俺の言葉に動揺している彼女に、


「じゃあ、出掛けるとするか」

「あっ、あの……」

「ん?」

「ど、どちらへ?」

「ん~……、それを言ったら楽しみが半減しないか?」

「へ?」

「フッ。まぁ、変な所に行く訳じゃないから、安心しろ」

「………」


不安な色を隠せない彼女を背に俺は玄関へと向かった。






「大丈夫か?」

「あっ……はい、多分………」


長いスカートと初めて履くブーツにてこずる彼女。

足下が安定せず、ふらついている。


俺は咄嗟に彼女の腕を掴むと、

彼女はビクッと肩を揺らした。


「俺の腕を掴めばいいだろ」

「へ?」


< 562 / 673 >

この作品をシェア

pagetop