オレ様専務を24時間 護衛する


「ちょっと、京夜様、大丈夫ですか?」

「………ん」


彼の顔を窺おうとしたら身体がふらついて

今にも倒れてしまいそうな状況に。


きっと、酔いのせいで足元がおぼつかないんだわ。


私は彼の身体が安定するように両腕でしっかりと支えた。

足首を捻挫でもされたら一大事だもの。


再び歩ける状況か確認しようとすると、


「今まで………本当に悪かったな」

「ふぇっ……?」

「詫びにと言ったら虫が良すぎるかもしれないが……」

「………」

「明日、………1日だけ…………俺に付き合ってくれないか?」

「へっ?」


突然、耳元で囁く彼。

しかも、その声はしっかりとしていた。

………まさか、酔ってないの?

脳内は混乱する一方で、どうしていいのか分からない。


ゆっくりと腕が解かれ、自然と視線が合ってしまった。

その瞳は言葉に出来ないほど優しく、

そして、蕩けてしまうような色気のある瞳をしていた。


「…………楽しみにしてる」


爆弾発言をサラリと残して――――。


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