オレ様専務を24時間 護衛する


翌朝、いつも通りに朝食の準備をしていると、


 ♪ ♬ ♪ ♫ ♩ ~


玄関から解除音が聴こえて来た。

こんな朝早くに誰かしら?

もしかして、京夜様のお母様?


思わず、急ぎ足で玄関へ向かうと姿を現したのは京夜様。



「京夜様!こんな朝早くからどこへ行かれてたのですか?!」


思わず問い詰めるみたいに早口で言ってしまった。

なのに、


「………おはよう」

「へ?」

「朝食が済んだら出掛けようと思って、車の状態を確認して来た」

「えっ?」


意外な言葉が返って来た。

確かに昨夜、今日は1日彼に付き合ってくれと言われたけど、

まさかまさか、本気で言ったとは思ってもみなかった。

だって、彼は酔っていたし……。


放心状態の私は軽いパニックを起こしていた。

本当に彼は別人にでもなったかのようで、

それに対して、どうリアクションを取っていいのかさえ解らない。


「おい、どうした?……気分でも悪いのか?」

「え?あっ、いえ、何でもありません。直ぐにご用意致します」


私を気遣い、そっと背中を叩いた彼。

なのに……―――……


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