オレ様専務を24時間 護衛する
無意識に服を包みに戻そうとすると、
中に白い封筒が挟まっていた。
お母様の直筆で
これまでの事を謝罪する言葉が綴られていた。
そして、最後に……。
『これからは、貴女らしく生きて下さい』
そう書かれていた。
それを目にして、思わず涙腺が緩む。
別に物凄く我慢してた訳じゃない。
少しばかり我慢してただけ。
だけど、心の奥の扉をゆっくり開けてもいいのかな?
そんな気になってしまう。
彼も少しずつ変わるように
私も少しずつ変わってもいいのかな?
私は今一度服を胸に当て、鏡の中の自分をみつめた。
………今日くらいいいよね?
せっかく頂いた物だし、
あの京夜様が誘って下さったのだから
今日くらいは『女の子』になろう……そう思った。
それからは、時計と睨めっこしながら
慣れない手つきで身支度を始めた。
短い髪だけど、少しでも『女』を意識して左側だけ編み込みをした。