オレ様専務を24時間 護衛する
彼からは『似合う』だとか、
『元々の素材が良いから、何着ても似合う』だとか。
……何?! それは新手の虐め??
私を言葉攻めでいたぶる気なの?
動揺を隠せない私はゆでダコみたいに真っ赤になった。
こんなキザなセリフ、ドラマや小説の中だけにしてよ!
颯爽と歩く彼を追いかけ玄関へ移動したのはいいものの、
………何故か、ブーツが上手く履けない。
彼がすぐ横にいるという緊張と、
床に着きそうなほどの丈のマキシスカートのお陰で
足下が全く見えないんですけど……。
いつもの私ならスカートをたくし上げる所だけど、
彼を目の前にそんな事、出来る筈もなく……。
すると、彼は自分の腕を掴めばいいと
私の片腕を自分のそれに掴ませるように……。
もう、何なの?!
ここでそんなセリフ言われたら、
余計に緊張して指先が震え出しちゃうよ。
彼の紳士ぶりに完全にKOの私は、
火照る頬を隠しながら彼の後を追った。
そして、車に乗り込む際も……完璧なジェントルマン。
もう~~ぉ~~!!
そんな事されたら、変に勘違いしちゃうんだから!!