オレ様専務を24時間 護衛する
2時間程車を走らせ、かなり山奥までやって来た。
「一仕事してから昼食にするけどいいか?」
「へ?」
俺の言葉に首を傾げる彼女。
そんな仕草1つでも、男装していた時と違って見える。
「まぁ、着いたら分かるさ」
「はぁ………」
暫くして、俺は山奥にある農園に車を止めた。
車から降りた俺は迷う事無く助手席へ。
けれど、一歩遅かったようで既にドアは開いていた。
「足下気を付けて」
「あっ、はい////」
農園の駐車場は整地されておらず、
躓きそうな大きさの石がゴロゴロしていた。
車外に出た彼女に、
「寒くないか?」
「はい、………大丈夫です」
相変わらず、俺に敬語を使っている。
それが、何とも切なく感じた。
山奥にある農園。
一面に広がる敷地全て同じ所有者。
俺らは受付へと歩み進めた。
昨日、母親に彼女の好物や好きな事を色々教わった。
彼女は俺と同じく、肉より魚、魚より野菜や果物が好きらしい。
そんな情報を得た俺はすぐさまネット予約をしていたんだ。