オレ様専務を24時間 護衛する


「もう、焼けましたかねぇ?……熱っ!」

「おい、大丈夫か?!火傷したか?」

「あ、いえ、大丈夫です////」


網の上に置いてある椎茸を素手で触ろうとした彼女。

俺は咄嗟に彼女の手を手繰り寄せた。


「お姉ちゃん大丈夫かい?あそこの水道で冷やすといいよ」

「あっ、はい。有難うございます」


彼女は水道へ冷やしに行ってる間に……。


「新婚さんかい?」

「へ?」

「何だか2人そろって初々しいよ」

「フフッ、そう見えますか?」

「ん~見える見える」


やはり、完全に夫婦に勘違いされている。

でもまぁ、悪い気はしないな。



のぶさんという年配の女性と彼女が鍋を抱え戻って来た。


「手、大丈夫か?」

「あっ、はい、大丈夫です。ご心配お掛けして、すみません」


彼女は申し訳なさそうに軽く頭を下げた。

すると、


「ちょっと、瀧さん、聞いとくれよ」

「ん?……どうかしたんかい?」

「このお嬢ちゃん、旦那に気遣い過ぎなんだよ。これじゃあ、息が詰まって長続きしやしないよ」


……何やら、俺が原因のようだ。






< 581 / 673 >

この作品をシェア

pagetop