オレ様専務を24時間 護衛する
「もう、焼けましたかねぇ?……熱っ!」
「おい、大丈夫か?!火傷したか?」
「あ、いえ、大丈夫です////」
網の上に置いてある椎茸を素手で触ろうとした彼女。
俺は咄嗟に彼女の手を手繰り寄せた。
「お姉ちゃん大丈夫かい?あそこの水道で冷やすといいよ」
「あっ、はい。有難うございます」
彼女は水道へ冷やしに行ってる間に……。
「新婚さんかい?」
「へ?」
「何だか2人そろって初々しいよ」
「フフッ、そう見えますか?」
「ん~見える見える」
やはり、完全に夫婦に勘違いされている。
でもまぁ、悪い気はしないな。
のぶさんという年配の女性と彼女が鍋を抱え戻って来た。
「手、大丈夫か?」
「あっ、はい、大丈夫です。ご心配お掛けして、すみません」
彼女は申し訳なさそうに軽く頭を下げた。
すると、
「ちょっと、瀧さん、聞いとくれよ」
「ん?……どうかしたんかい?」
「このお嬢ちゃん、旦那に気遣い過ぎなんだよ。これじゃあ、息が詰まって長続きしやしないよ」
……何やら、俺が原因のようだ。