オレ様専務を24時間 護衛する
その後、俺らは地元野菜をふんだんに使った『ずり出しうどん』を頬張った。
そして、一旦受付小屋に戻り、採取セットを受取った。
「葡萄と林檎、どっちを先に行きたいか?」
「へ?……両方行くおつもりですか?」
「勿論」
「………そ、そんなに食べれませんよ?」
「フッ、誰が全部食べると言った?土産の分くらい、自分達で選びたいだろ」
「あぁ、なるほど。それもそうですね。では、葡萄にしましょう♪」
「……そうだな」
俺と同じ事を考えたらしい。
林檎は丸々1個も食べたら飽きるよな?
それなら、まだ葡萄の方がマシだ。
お腹が満杯の状態で緩やかとは言え、斜面を登るのも結構辛い。
それも踏まえての選択だった。
巨峰の木の傍まで歩いて行くと、
「あっ、のぶさん、どうしたんですか?」
「余計なお節介かもしれないけどさ、そのスカートじゃ歩き辛いだろうと思って……」
「あっ……」
そう言って、歩み寄って来たのぶさんの手には
荷造りで使うようなビニール紐が握られていた。