オレ様専務を24時間 護衛する
「ちょっとじっとしてなね?」
「あっ、はい。……すみません、何から何まで」
「いや、礼なんていいんだけどさ、綺麗なスカートが勿体ないからねぇ」
「有難うございます。このスカート、彼のお母様から頂いた物なので助かります」
嬉しそうにのぶさんの指先を見つめる彼女。
のぶさんは彼女のウエストのやや下部分(腸骨の辺り)に
クルリと紐を一巻きして縛った。
そして、その紐が人の目に触れないように
スカート生地を引っ張り出して、
バルーン状に丈を調節してくれた。
「わぁ!凄ーい!のぶさん、有難うございます!!」
「いいえ、どう致しまして。じゃあ、愉しんでおいでね~」
そういって、手を振りながら調理場へと戻って行った。
「どうですか?……紐を結んでるなんて全然解りませんよね?」
「あぁ。あのオバサンら、ただもんじゃねぇな」
「オバサンじゃなくて、のぶさんと瀧さんですよ?……京夜様」
「フッ、そうだったな」
すっかり、あの2人にマインドコントロールされた彼女。
けれど、彼女が笑顔になってくれるならそれでいい。
「じゃあ、行くか」
「はい!!」
俺らは軽い足取りで葡萄狩りへと向かった。