オレ様専務を24時間 護衛する
葡萄狩りをした俺らは
少し離れた場所にある林檎畑へと足を延ばした。
両家への土産用にとご機嫌で林檎を採る彼女。
俺はもっぱら荷物係に徹していた。
普段なら俺に重たい物を持たせようとしない彼女も
今日ばかりはすっかり忘れているらしい。
俺はそんな些細な事が嬉しくて仕方なかった。
3籠分の林檎を採り終え、
休憩用の椅子に腰かけながら
彼女が剥いてくれた林檎を頬張る。
「外で食べるのは意外といいもんだな」
「そうですねぇ」
1つの林檎を半分ずつ食べ終え、
俺は椅子の背もたれに身体を預け、
木々の隙間から覗く太陽を仰ぎ見いていた。
すると、
「懐かしいですね」
「ん?」
「前に京夜様の家のテラスで、こうして2人で空を眺めたのを覚えていますか?」
「あぁ、覚えている。青く澄んだ空だったな」
「あの時、青空も凄く綺麗でしたけど、太陽も同じくらい輝いていて、それと同じくらい京夜様が輝いて見えました」
「はっ?」
思わず、彼女に視線を向けると