オレ様専務を24時間 護衛する
「もしかして、お疲れですか?」
「はっ?……何を根拠に?」
「………何となく、表情が……」
「フッ、気にし過ぎだ」
「ッ?!////」
京夜様はハンドルを握る手をそっと私の頭に乗せ、
蕩けるような甘い顔で微笑んだ。
……私の気にし過ぎかしら?
「お腹は空いてないか?」
「いえ、食べ過ぎで胃もたれしそうです」
「………だな」
再び車が走り出したが、
やはり、どことなく影があるように思えた。
もしかして、昨日ご実家へ行った際に
ご両親から何か言われたのかしら?
それなら、何となくだけど察しが付く。
蒼白いオーディオのライトに照らされた彼の横顔。
鼻筋が通っていて、西洋の彫刻みたいに綺麗に見えた。
「寝てていいぞ?」
「えっ?」
「希和こそ、はしゃぎ過ぎで疲れたんじゃないのか?」
「大丈夫ですよ?私が運転しましょうか?」
「フフッ、いいよ、運転は。音楽掛けてやるから、少しシートを倒すといい」
「え?……………あ、はい」
彼の優しさを無下にするのもどうかと思い、
私は言われるままにほんの少しシートを倒した。