オレ様専務を24時間 護衛する
エンジン音と調和するように
心地良い音楽が車内に流れ始め、
王子様の横顔を眺めていたら
いつの間にか、夢の世界へ誘われていた――――。
頬に温かい何かが触れ、とても優しく包まれる。
これは、………手?
頬に触れていた何かが今度は髪へとつたって、
優しく優しく………撫でてゆく。
「………んっ……」
ゆっくりと瞼を開けると、
蒼白いオーディオのライトに照らされた京夜様が。
「……あっ、すみません。私、すっかり寝てしまって……」
急いでシートを元に戻し、慌てて手櫛で髪を整えた。
「変な顔で寝てませんでしたか?」
もうッ!!
私ったら、何てことをしてんのよッ!!
マヌケな寝顔をバッチリ見られたじゃない!!
溜息混じりに苦笑すると、
「可愛かったよ」
「ふぇっ?」
かかかか、かっ、可愛かったぁぁぁぁ?!
思わず、真顔で見入ってしまった。