オレ様専務を24時間 護衛する
「フッ、何だ、そのマヌケ面」
「へ?………もうッ!冗談は止めて下さいよ!本気にするじゃないですか」
「……………………………ゃない」
「………へっ?」
聞き返した私の声は、
彼がドアを開けた音に掻き消された。
けれど、確かに聴こえた。
微かに聞こえる程度の声だったが『………冗談じゃない』と。
颯爽と歩く彼が、運転席から回り込み
助手席のドアをゆっくりと開けてくれた。
辺りを見渡すと、何故か私の実家の目の前。
思わず、彼を仰ぎ見た。
「京夜様?!」
「ん?」
「どうして、……ここが?」
「フッ、自分で教えておいて忘れたのか?」
「へ?」
「前に、俺に自宅の場所を教えただろ?」
「え?…………あっ!」
彼は玄関先にお土産の品々を下ろし始め、
私もそれをそっと手伝った。
そして、下ろし終った彼は車の中から何やら取り出し、
私のもとへ歩み寄って来た。
すると、