オレ様専務を24時間 護衛する
京夜side
彼女の家の前に到着した俺は、
すぐ横で眠る彼女の顔をじっと見つめた。
無邪気に眠る彼女。
俺の運転が心地良かったのか、
可愛い寝息を立てている。
そんな彼女の寝顔を見つめていたら
無意識に指先が柔らかな頬に触れていた。
俺の手は冷たくないだろうか?
そんな事が脳裏に過ったが、
離す事が出来ず、指先は編み込まれた髪へと伝っていた。
この髪型は、俺の為にしてくれたのだろうか?
ただ単に彼女がしたかっただけかもしれないが、
今だけは、俺の為にしてくれたのだと思わせてくれ。
優しく髪を撫でていると、彼女がゆっくりと瞼を開けた。
その瞳はとても綺麗で、
俺は吸い込まれるように見惚れてしまった。
慌てて起き出す彼女。
そんな仕草も可愛く見える。
けれど、これ以上、
彼女を見つめる事は毒にしかならない。
俺は再び仮面を被って、心にも無い事を口走る。
それはまるで、自分の心が死んだかのように。