オレ様専務を24時間 護衛する
希和side
夢のような1日はあっという間に過ぎ去って
魔法が解ける合図は王子様の一言だった。
『……………元気でな』
確かにあれは本当の彼の声。
だからこそ、その意味を辿ると
特殊任務が終わりを告げ、
私が本来いるべき場所へ戻った事を知らせる合図。
なのに、どうしても腑に落ちない点が……。
混乱する頭を抱え、
私は実家の自室でベッドに横になりながら
1人悶々と考えていた。
本当の姿を知っているのにもかかわらず、
何故、再び私の前で魔王の仮面を被ったのだろう?
ただ単に、『さようなら』が言い辛くて?
それに、昨日の時点で任務が終了する事が解っていたのなら
解った時点でおっしゃってくれれば良かったのに。
何故、別れ際になって言う必要があったの?
しかも、昼間はあんなにも優しくしておいて、
普通、最後の最後に罵声を浴びせる?
罵声を浴びせる意味がどこにあったのだろうか?
考えても考えても答えは導き出せそうにない。
私はお手上げとばかりにゴロンと寝返りを打った。
すると、