オレ様専務を24時間 護衛する


3つ目に手にしたのはキャンディー包みになっている物。

しっかりと結ばれている紐を解くと、

巷で有名なハンドケアセットが入っていた。


確か、朱夏がオススメしてたっけ。

先日のショッピングの際に『これはオススメ』と言っていた。


武術をする上で爪は伸ばせないから、

せめて手荒れだけでも……と思ったのだろうか?


思わず、自分の指先を見つめてしまった。


まだ、あかぎれが出来るような時期ではないが、

確かに乾燥しているようにも思う。

……そう言えば、彼の手はいつ見ても綺麗だったな。



4つ目に手にしたのは、小さな箱物。

ピンク色の包装紙を解き、中の箱を取り出すと如何にも高価そうな箱だ。


どう見ても存在感のある箱。

他人から贈られた事は無いが、これがどんな物か察しが付く。


テレビドラマや映画で何度も同じような物を見た事があるから。


ビロード地の柔らかい肌触りの小箱は

すんなり開けるのを躊躇う程の品物だ。



無意識に周りを囲むように並べた開封済みの贈り物。

『感謝』の気持ちにしては行き過ぎではないだろうか?


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