オレ様専務を24時間 護衛する


それからの私はというと、

何をするにも溜息が零れ出していた。



習慣って恐ろしい。


刷り込みとでもいうのか、

事あるごとに時計を確認しては

次に何をすべきかを考えてしまう。



彼との生活は無駄な時間が無いほど、

毎日がびっしりと埋まっていた。


だからこそ、効率良くテキパキと動き

彼の行動パターンを先読みして準備する。


そんな風に気を張って毎日を過ごしていたから

急に任務を終了したからって、

直ぐにスイッチが切れるほど器用じゃない。




1日経ち、2日経ち、3日経ち……。

それでも染み込んだ生活は

綺麗さっぱり忘れるなんて出来なかった。






朱夏は社員研修で半月ほど不在で、

他の友人に京夜様の事を話す事は出来ないから

結局、毎日部屋に籠って過ごしていた。



そんな私に業を煮やしたのか、

母親が買物に行こうと誘って来た。


家にいてもつまらない。

何をするでもなく、ただボーっとしているだけ。

それならば、いっその事、

買物にでも出掛ければ、気分も変わるかもしれないと思った。


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