オレ様専務を24時間 護衛する


切なそうな表情で溜息を零す母親。


俺が彼女の事を『女性』として意識している事に気付いていて、

そんな俺を温かく見守ってくれていたようだ。


けれど、そんな母親の言葉にも耳を傾けず、

俺は彼女を守りたい一心で決意した。



俺の選択が正しいのか、そうでないのかは分からない。

ただ、今の俺にはこんな事しかしてやれないんだ。

それ程に、俺は1人の男として最低な奴だ。



父親をじっと見据えていると、


「…………分かった。先方には私の方から話をしておこう」

「ッ?!…………では、もう…………既に相手は決まっているという事ですか?」

「……………そういう事だ」

「………………………そうですか」



父親の言葉に一瞬動揺した。

結婚を決意したからと言って、

直ぐのすぐに決まるとは思っていなかったから。


でもまぁ、返っていいのかもしれないな。

彼女の事を忘れる為には………。



「今日中に連絡を入れておく。日程が決まり次第、お前の方へ連絡するから」

「はい、分かりました。では、失礼します」


俺は両親に会釈し、テラスを後にした。


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