オレ様専務を24時間 護衛する


翌日、月曜日という事もあり

忙しく仕事に追われていると、携帯がなった。


発信者は母親。

俺は深呼吸して電話に出た。



「はい」

「京夜?私だけど……」

「はい」

「日程が…………決まったわ」

「……そうですか。………いつですか?」


母親の声は昨日と同じ、悲しい色を滲ませている。

そんな風に悲しませたい訳じゃないのだが……。


「明日の14時、風月の特別個室に席を設けたわ」

「…………分かりました」

「仕事は大丈夫なの?」

「何とか調整してみます」



母親は、俺の仕事の都合を理由に断りたいのだろうか?

けれど、今回断った所で何の解決にもならない。

俺の考えを変えない事には………。



「京夜」

「はい」

「本当にいいの?」

「はい。………仕方ありません」


心から心配してくれる母親に対して、

俺の心は既に死んでしまったかのように淡々と答えている。


「あんなにも…………優しいあなたを見たのは初めてだったのに……」

「ッ?!………………何かの見間違いですよ」



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