オレ様専務を24時間 護衛する
希和side
家電量販店から真っ直ぐ自宅へと戻って来た。
恐らく、母親の気遣いだと思う。
私は……ちょっと、いや、かなり衝撃を受けていて
軽い放心状態に陥っていた。
確かに、財閥の御曹司となれば
一日も早く跡継ぎを……と考えてもおかしくないが、
あの京夜様が反抗もせず、すんなりと従ったのだろうか?
私が護衛の任から離れてまだ1週間しか経ってないのに。
もしかしたら、前々から話は持ち上がっていたのかしら?
だから、ほんの少しでも抵抗を試みようと、
それで私との生活に踏み切ったって訳?
色んな事が脳内を駆け回るが真相が解らないだけに落ち着かない。
あの……京夜様が…………。
あんなにも女性を毛嫌いしていた彼が……結婚?
そりゃあ、御影ほどの家柄なら
お相手なんて引く手数多でしょうが、
彼は本当に納得して受け入れたのかしら?
『俺が誰と結婚しようと、お前には関係ない』
彼の言う通り、確かにそうなのかもしれない。
所詮、私とは違う世界の人なんだから。