オレ様専務を24時間 護衛する
俺は車を走らせ、大通りのコンビニに立ち寄った。
毎日通うと見飽きるものだな。
そんな風に思いながらも、
売れ残りの弁当を手にしてレジへ向かう。
唯一救いなのは、レジが男だという事だ。
恐らく時間帯もあっての事と思うが、
こんな風に疲労感のある時に
害虫に声を掛けられるのだけは御免だ。
「ありがとうございました」
柔らかい笑顔で会釈する若い男。
大学生だろうか?
ついつい俺も軽く会釈し、コンビニを後にする。
車に乗り込んだ俺は腕時計に視線を落とす。
「寝るにはまだ早いか?」
独り言のように呟いて、車を発進させた。
自宅へは大通りを直進し、
2つ目の交差点を左折するのだが
俺は何を血迷ったか、そのまま直進していた。
そして、5つ目の交差点を右折しカーブ伝いに車を走らせる。
程なくすると大きな歩道橋のある交差点に差し掛かり、
その歩道橋をくぐると区役所が目の前に現れた。
そして、その脇の緩やかな坂道を上るように走らせると………。