オレ様専務を24時間 護衛する


先輩行きつけのこのお店は、

気さくな大将と優しい女将さんの2人で切り盛りしている小さな居酒屋。


私も先輩に誘われ何度も来ているが、

何度来てもいい店だなぁと思う。


だって、大将と女将さんがとても仲良くて

うちの両親より年齢が遥かに上だと思うけど

あぁして、いつもラブラブだ。


「ほら、お前さん!焼き鳥が丸焦げになりそうだよ」

「俺は魚を捌いてるんだから、気付いたんなら佳代子がやれな」

「あ~はいはい、やりますよ~」


カウンター越しに声を掛けていた女将さんが

大将のいるカウンター内へ入り、

大将の捌く手元を見ながら、

優しい表情で焼き鳥を平皿に盛り合わせる。


そんな何てこと無い会話が素敵だと思えてならない。


歳を取っても会話がちゃんとある。

それも喧嘩腰でなく、優しい笑みを浮かべながら。


お互いに信頼し合っているという証だ。



「はい、生中お待ち~」


女将さんがビールジョッキをテーブルに置いた。


「んじゃあ、とりあえず、乾杯な?」

「………はい」

「「乾ぱぁ~い!」」


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