オレ様専務を24時間 護衛する


「そうそう、お前はそういう向日葵みたいな笑顔が似合うよ」

「ッ!!………もう、先輩って時々いい人になるんだから」

「はっ?お前、酷い奴だな。俺は時々じゃなくて、い・つ・も……いい奴だ!!」

「あ~はいはい。大将~、生中2つ追加~!!」

「飲み過ぎじゃねぇか?」

「平気平気~♪」


陽気な石島先輩。

けれど、今日ばかりはカッコよく見える。

お酒が入っているとかじゃなくて、

人生の先輩として、素敵に見えた。



翌日、二日酔いの頭で出勤し、

何とかミスなく1日の仕事を終えた。


「先輩」

「ん?」

「昨日は有難うございました」

「おぅ」


先輩は夜勤で先程出勤して来たばかり。

そんな先輩に……。


「これ、良かったら」

「ん?何コレ」

「野菜スープです。休憩の時にでも召し上がって下さい」

「お前、二日酔いなのに朝からコレ作ったのか?」

「……はい。料理くらいしか取り柄が無いですから」

「フッ、んじゃあ、遠慮なく戴いとく。サンキュ」

「では、お先に失礼します」

「おぅ、お疲れ~」


日課報告書に目を通している先輩。

そんな先輩を部屋に残し、私は会社を後にした。


< 652 / 673 >

この作品をシェア

pagetop