オレ様専務を24時間 護衛する
「そうそう、お前はそういう向日葵みたいな笑顔が似合うよ」
「ッ!!………もう、先輩って時々いい人になるんだから」
「はっ?お前、酷い奴だな。俺は時々じゃなくて、い・つ・も……いい奴だ!!」
「あ~はいはい。大将~、生中2つ追加~!!」
「飲み過ぎじゃねぇか?」
「平気平気~♪」
陽気な石島先輩。
けれど、今日ばかりはカッコよく見える。
お酒が入っているとかじゃなくて、
人生の先輩として、素敵に見えた。
翌日、二日酔いの頭で出勤し、
何とかミスなく1日の仕事を終えた。
「先輩」
「ん?」
「昨日は有難うございました」
「おぅ」
先輩は夜勤で先程出勤して来たばかり。
そんな先輩に……。
「これ、良かったら」
「ん?何コレ」
「野菜スープです。休憩の時にでも召し上がって下さい」
「お前、二日酔いなのに朝からコレ作ったのか?」
「……はい。料理くらいしか取り柄が無いですから」
「フッ、んじゃあ、遠慮なく戴いとく。サンキュ」
「では、お先に失礼します」
「おぅ、お疲れ~」
日課報告書に目を通している先輩。
そんな先輩を部屋に残し、私は会社を後にした。