オレ様専務を24時間 護衛する
自宅に戻った私は、すぐさま浴室へと向かった。
念入りに身体を洗い、気合を入れる。
いつも大会前にしていたゲン担ぎ。
自分の殻を打ち破る意味もあって、
こうする事で自分を鼓舞する事が出来る。
そして、すぐさま肌の手入れを施し、髪を乾かし、
頑張って可愛くなるように化粧をする。
朱夏にアイラインのコツを教わっておいてホント良かったよ。
そして、鏡の中の自分をじっと見つめた。
やっぱり、これは欠かせないよね?
左側の横髪の毛束を少し取り、器用に編み込んでいく。
耳の少し上まで編み込んだ毛先に
京夜様から頂いた蝶のヘアピンを挿した。
………似合うかな?
瞼を閉じて思い浮かべてみる。
『似合ってるよ』と低めの甘い声が耳元で囁かれるのを。
「ヨシ!!……次は服!!」
私は点呼でも取るかのように
1つ1つ確認しながら準備を施して行った。
白いニットに黒いボトムスを合わせ、
お気に入りの黒いロングカーディガンを羽織った。
そして…………。