オレ様専務を24時間 護衛する
「もう遅い時間だ。俺が送ってやるから」
「………」
優しく頭を一撫でされた。
彼が触れてくれた事は凄く嬉しいけど、
このまま黙って帰る訳にはいかない。
私は家出をして来たんだから!!
「あ、あのっ……」
「ん?」
「お話が………あります」
「話?………俺にか?」
「………はい」
「…………言ってみろ」
私の真剣な表情を悟ってか、
彼もまた真剣な顔つきになった。
ここで怯んじゃダメ!!
せっかく勇気を出して、ここまで来たんじゃない。
先輩が言ってたように、
始まってもいないんだから、諦めちゃダメ!!
諦めさえしなければ……
諦めさえ……しなければ………
「京夜様」
「ん?」
「新しい護衛役とお世話役の人とは上手くいってますか?」
「へ?」
「もし、上手くいってなければ………ううん、違う!上手くいってても関係ありません!!」
「……何の事だ?」
私のチンプンカンプンな言葉に首を傾げる彼。
そんな彼に私は……―――…………