オレ様専務を24時間 護衛する


「もう一度、私を雇って下さい!!」

「は?」

「護衛役でもお世話役でも何でもいいです。出来れば、両方ともさせて頂ければ尚嬉しいです!!」

「ちょっ……お前、何言ってんだ?」

「だから、京夜様の傍で働かせて下さい!!」

「ッ?!………………ダメだ」

「どうしてですか?………もうじき、ご結婚されるからですか?」

「………」

「幸せそうな奥様を眺めながら、私が女の倖せを我慢してるとでもお考えですか?」

「………」

「確かに、好きな人と結婚して、幸せな生活を送るのは夢ですけど、それが叶わないのなら……せめて傍にいたいです」

「…………へっ?」


自分で言ってて恥ずかしい。

解っていたけど、告白するって、本当に大変だ。


半ば自暴自棄になりながら、

拒絶されないように説得を試みる。


だって、決めたんだ。

彼が別の人と結婚しても

私は私の倖せを噛みしめるって。


『妻』の座は譲ったとしても、

それ以外の座は私が全て頂くんだから!!


私は決死の覚悟で言葉を紡ぐ。

だって、私にはもう後が無いんだもん。


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