オレ様専務を24時間 護衛する


「私、…………京夜様が……好きです。誰にも譲れないくらい……っ……」


『好き』だと言葉にしたら、また涙が溢れ出した。

けれど、それでもちゃんと伝えないと!!

その為にここにいるんだから……。



「例え、ご結婚されてもお傍にいたいです。私の事を『女』として見てくれなくても構いません。家政婦のオバサン、ただの運転手だと思って下さって構いません。だから、だから………この気持ちが無くなるまで、お傍に置いて貰えませんか?」



武術で例えるなら『捨て身の術』


もう後がなく、これ以上の技が繰り出せそうにない時

ここ一番という場所で一度だけ通用する戦法だ。



これで、彼が私を拒絶したら

私はその時、初めて『失恋』した事になる。



出来る事なら、そうなりませんように………。



瞳をギュッと瞑って、彼の返事を待っていると、



「今のは本心か?」

「ふぇっ?」

「本心か?」

「…………はい、勿論です」

「こんなオレ様男でも?」

「……はい。京夜様じゃなきゃ……」


私は涙を零しながらじっと彼を見つめた。


すると、


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