オレ様専務を24時間 護衛する


「後悔しないか?」

「何にです?………貴方を諦める事以外、後悔はしません」

「取り消すなら今だぞ?………今ならまだ間に合う」

「………契約更新して貰うまで、帰りませんから」

「…………」


私の開き直った言葉に苦笑し、髪を掻き乱した。

そして、


「本当にこれが最後だぞ?」

「もう!!京夜様、しつこいですよ?!」

「なっ?!お前、いい度胸してんな」

「はい、今頃気付きました?私、意外と図太いです。そうでもしないと京夜様とやっていけませんから」

「フッ、言いたい事いいやがって」



2人の間に少しずつ温かい空気が流れている気がする。

彼の表情がとても優しく見えるから。



「契約更新って、何の更新だ?」

「だから、護衛兼補佐役とお世話役の家政婦ですよ」

「…………更新時ってのは条件を足せるよな?」

「……何か、追加したい項目でも?」

「あぁ、俺的にはな」



長い腕が再び伸びて来て、優しく頭を撫でられた。

そんな破顔されたら、勘違いしますよ?


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