オレ様専務を24時間 護衛する


「あのっ、すみません」

「ん?何だね?」

「そんな大企業の重役の護衛でしたら、私でなくても務まる人はいると思いますが…」

「う~ん、そうだな……護衛という点においては他にもいるだろう」

「……」

「先程言ったと思うが、護衛兼補佐なんだ」

「……はい」

「ここからは他言無用、トップシークレットだ。良いか?」



本部長の表情が険しくなった。

私も緊迫した空気に思わず生唾を呑み込む。



「君が護衛に当たる彼はかなりの癖のある男でな、護衛役も補佐役も長続きしないんだ」

「……」

「さらに難題なのが、彼は女性を毛嫌いしている」

「……はいっ?!」

「だから、家政婦も女性秘書を雇っても難しいらしい」

「えっ…あのっ……」



本部長……私、女性ですけど…。

見た目は女に見えないかもしれませんが、

これでも正真正銘『女』です。


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