オレ様専務を24時間 護衛する
―――――パシッ
「痛ッ!」
カツカツカツカツッ……
急に背後から長い腕が伸びて来て、
容赦なく私の手を叩き落とし、
さらに『閉』ボタンを連打している。
―――――えっ?!
目の前の光景に固まっていると、
扉の前まで来た女性が無残にも
閉まる扉の向こうに姿を消した。
すると―――――、
「お前は仕事を放棄する気か?!」
「えっ?!」
耳元で声を荒げた彼。
思わず振り返ると、
恐ろしいほどの形相をした彼が…。
真後ろに立つ彼の顔が斜め上20㎝の距離に。
唖然とする私と恐ろしいほど殺気立つ彼。
シーンと静まり返る空間に
エレベーターの駆動音だけが響いている。
身体に重力がかかっているせいなのか、
それとも彼の殺気に怯えてなのか…。
身体がピクリとも動かない。