オレ様専務を24時間 護衛する
どうしてあの時、
『俺を好きにさせてみせる』
と、言えなかったんだろうか?
『幼かったから』という、
逃げる口実を自分に押し当てていた気がする。
もし、この先…
俺の傍にいて欲しいと思える女性が現れるとすれば
きっとあの時の彼女のように、
俺の隣りに寄り添って、
いつでも俺を支えてくれる女性だと思う。
だからこそ、俺は……
言い寄って来るような女には
微塵も興味はないし、相手する気もない。
今も……そして、これからも…。
「京夜様、お風呂の準備が整いました」
「ん」
「何か考え事ですか?」
「ん?」
「何か、お辛そうなご様子でしたから…」
「……いや、何でも無い」
「左様でございますか……では、カクテル用のおつまみをご用意しておきます」
松波は一礼して俺の寝室を出て行った。